竹林と鳥居と封印された岩室

半ば打ち棄てられた道に分け入って、ボロボロになった祠などを眺めるのが好きなんです。山陰に帰省した時にも、ふと山に続く側道を見つけたことがあります。

竹林に獣道があるような道でした。周りは竹・竹・竹。色彩と優しい葉ずれの音が心地良いです。

いくつかの鳥居をくぐると、岩室というのでしょうか、小さな洞窟が封印されているのを見つけました。秘密基地を見つけたようなドキドキも手伝って、しばらく洞窟や竹林を歩き回ってました。

そんな時です。突然回りに違和感を感じました。竹林が、封印された祠が、鳥居が、岩が、全て生きているような感じがしたのです。特に恐怖だったのが竹。

私は竹林から逃げ出しました。その後、竹林は避けるようになりました。竹林には何者かが棲んでいる。そんな恐怖感が未だに残っています。



もっけ(勿怪)という漫画の3巻を読んでたら思い出しました。ヒト以外の奇妙な「此岸のヒト」の存在を描く漫画です。