お雑煮とナショナリスト

ナショナリスト」と言われて、何故かお雑煮のお話が頭に浮かびました。私の実家は山陰にあり、それを意識せざるを得なくなるのがお雑煮なんです。


我が家のお雑煮はぜんざいです。小豆を煮て砂糖を入れて甘くして、その中にお餅を入れます。そしてこれは山陰地方にしか(おそらく)ない風習です。リンク先はうちのお雑煮そのもの。
http://event.nifty.com/ls/link/portal_toko/ozoni/id_04010101322.htm

我が家のお雑煮を他人に話して共感が得られたためしがありません。例外なく驚かれ、「そんなんお雑煮じゃねー」と馬鹿にされます(まぁ冗談で言っているんでしょうけどね)。だから我が家のお雑煮がマイノリティであることに、そこはかとない寂しさを感じたことも少なくありませんでした。


それが誇らしさに転化する出来事がありました。数年前、研究室の面々を連れて行った山陰観光の時の話です。イザナギイザナミを祭っている神社の側のお店で、地元のおばさんと山陰のお雑煮の話題になりました。

おばさんはこんな話をしてくれました。
「いいかい。山陰のお雑煮はね、“じんざいぜん”ってもともと言うんだ。神様にお供えするものだから“神在膳”。だからうちらは“ぜんざい”を食べるんだ」


「ここには神様がいるんだからね」


神様がいる国。その国の風習が自分の中で脈々と息づいている。それがたまらなく嬉しかった記憶があります。私の中のナショナリズムは、こんな所から芽生えたんじゃないかなぁと思っています。