本日の漫画

ちはやふる (3) (Be・Loveコミックス)

ちはやふる (3) (Be・Loveコミックス)

おもしれーーー!!!!!


このマンガがすごい!2009年」にランクインしていたので何となく手を取ってみました。以前から少女漫画にはとても関心があるんだけど、表紙買いをしたり雑誌を読んだりしている割にはアタリが少なくて最近は遠ざかっていたのですが(谷川史子作品以外は)。


いやー、これは面白い。

何が面白いって、競技カルタという世界を知らないものだから、興味本位でぐいぐい引き込まれる。頭脳戦が要求され、独特の戦術があり、そして反射神経と耳の良さが要求される。私の知らない新しい世界が、とても面白そうに描かれます。いや、ほんと、面白そう。

競技カルタ試合の緊迫した空気の描写も素晴らしい。1巻の、千早がカルタ会にて「あたし生まれて初めてかるたっぽく取れたよ!」と喜ぶシーンが秀逸すぎる。札が読み上げられる時の、自然と息を飲む瞬間。そして唐突で激しい「バンッ!」という畳を叩く音。

競技カルタの(おそらく)最も楽しくて気持ちいい瞬間を、わずか3ページで描写しています。もう1巻のその3ページを何度読んでも、気持ちいいのです。

すごいなぁ。いいなぁ。気持ちいいなぁ。面白いなぁ。



いちおう少女漫画なので恋愛描写もあるんですが・・・。3巻のオビの台詞が的確すぎる。

汗は男子だけのものじゃない。

熱いですね。めっさ熱いです。スポ根です。ここでは書ききれない熱いシーンだらけです。恋愛なんておまけにしか見えません。



ところで死ぬほどどうでもいいことなんですけど。2巻から大江奏、通称「かなちゃん」というキャラが登場するんですが。2巻の巻末おまけマンガを読むと、こいつがめっさ巨乳キャラとして描かれているんですよね。

ところが本編マンガのどこをどう読んでも、こいつが巨乳として描かれているところが全く無い。チチを強調したあざとい描写が全くない。いちおう2〜3巻をくまなくチェックしてみましたが、全くない。はて? 俺の勘違いかな?

…と思っていたら、3巻の巻末おまけマンガでは「彼女にするならどっち?」「かなちゃんでしょ」「大江さんが巨乳だからか!」的な描写がある。やっぱりこいつは巨乳キャラなんだ。でも、それじゃあ、なんで本編で強調せんの?

つまり男性向け漫画であれば、巨乳キャラという設定を作った以上それを利用しない手はなく、巨乳を強調した描写が多かれ少なかれあるのが普通です。そういうあざとい描写をしたくない作者なら、そもそも巨乳キャラという設定を作らないのでしょう。

なので「巨乳キャラを作ったのに、それを利用しない」という事に強烈に違和感を感じてしまいました。男性向け漫画ではあり得ないことですが、うん、少女漫画ではそんなん強調しても読者は喜ばんもんなぁ…。これはれっきとして女性向け漫画なんだよなぁ…、と感じ入ってしまった次第であります。いや別にチチ描写に不満があるわけではもちろん無く。女性向け漫画に男性的視点で文句を言うなど無粋の極みでありまして、ただ純粋な男女の視点の違いと言いますか漫画文化における男女の文法の違いを指摘したかっただけでありまして、決してもっとチチを描いて欲しいとかそんなことを言いたいわけでは決して決して無く(ドツボ)。