会議

会議の役割にも色々あるとは思いますが、会うこと・一堂に会すること自体が目的の会議も、まああり得るとは思うのです。


先日の研究会合宿ではディプロマシーという戦略外交ゲームをやりました。ディプロマシーについては、wikipediaの冒頭の一節を引用しましょう。

本作は7人のプレイヤーが第一次世界大戦前の緊張した関係にあるヨーロッパ列強7ヶ国をそれぞれ担当し、ヨーロッパの覇権を巡って争う戦略ボードゲームである。 diplomacy(外交)という単語が示す通り、ルールそのものはごく単純であって、「外交」すなわちプレイヤー同士の取り引きや同盟が中核を成しており、「いかにして他のプレイヤーの助けを得るか」「どのタイミングで他のプレイヤーを裏切るか」といった駆け引きと策略、外交センスが問われるゲームである。かつてイギリスの「ゲームズ・アンド・パズル」誌は「ディプロマシーは、今世紀に発売された最も偉大なインドア・ボードゲームである」と賛辞を述べた。

私はドイツを担当したので、開戦直後にオーストリア、ロシアと同盟関係を樹立。さらに遠いトルコとも協力関係を結びました。ヨーロッパの東側(ドイツ・オーストリア・ロシア・トルコ)と西側(イギリス・フランス・イタリア)の対決という構造を作ることで、ドイツは2正面作戦を避けるという判断でした。


ディプロマシーは毎ターン30分ほどの「交渉タイム」が設けられ、その時間内に各国プレイヤーを誘って外交交渉を行います。

この外交交渉を使って他国と友好関係を維持するのに一番重要なのは、「毎ターン必ず交渉の場を持つ」ことだったりする。同盟を結んだり共同作戦を提案したり、というのは2の次なのです。ただ会って、言葉を交わしながら作戦の内容を再確認するだけで、「ドイツとトルコは友好関係を維持している」「ドイツとロシアは仲が良い」ということが伝わるのである(もちろん虚実の区別は付けないといけないけれど)。

そのことが分かるエピソードとして、開始3ターン目頃に発生した戦闘がある。オーストリアがトルコ陣地に攻め込んでしまったのだ。

先にも述べた通り、ドイツ・ロシア・オーストリア・トルコは東側陣営を築いていて、その陣営の中での亀裂は絶対に避けたい。ところがドイツとオーストリアは(余りにも距離が近くて利害も一致しているために)定期的な首脳会談の席を設けることをサボっていたのだ。そのため、ドイツ(私)は疑心暗鬼に陥ってオーストリアには野望があるという目を向けるようになってしまった。

急遽設けられたドイツ・オーストリアの首脳会談によって、お互いの協力関係の再確認と、トルコ陣営への侵入に対する説明が得られたので疑いはすぐに晴れた。また直後にトルコ側とも会談を行って侵入されたことは策略の一部なので問題がないという見解も得られ、ドイツ(私)はホッと胸をなでおろしたものである。



というわけで、定期的に会談や会議を開催してお互いの意思や見解を再確認することは、確かに意味がある。例え会議時間が5時間だったとしても。

そういう会議に出て時間を費やしてしまった1日でした。なんか損した気分なんだけど、きっと意味があるんだ!あるに違いない!(自己欺瞞ですな)