アイデアの忘却とかキリの悪さとか

久しぶりに風呂屋へ。心身がふにゃふにゃになりました。風呂屋は友達と行くのも楽しいんだけど、ひとりで行くのも楽しい。ひとりだとぬるま湯に何時間でも入っていられますから。今日は1時間半、ゆらゆらとお湯に揺られながら、ことだまのことを考えていました。色んな考えが浮かんでは消え、浮かんでは消え。

ということで風呂から上がってすぐに考えたことを書き留めようと思ったのですが、やめました。森博嗣のブログに面白いことが書いてあったので。

毎晩寝るまえに洋雑誌を眺めながら、今後のプロジェクトの構想を練るのだが、眠ってしまって、朝起きたらたいてい忘れている。それが、翌日寝るときにはまた思い出す。そうして、だんだんアイデアが具体的になり、実現可能なほど煮詰まってくるし、そういった段階になると、ようやく朝起きたときにも覚えている。それで、そのプロジェクトに関連する、資料や部品集めの段取りをしたりする。このように、ものごとには準備期間というものが必要だ。とにかく、時間をケチること、目前になって焦ることが最も悪い。品質を落とす原因のほとんどは時間不足である。そして、ここでいう「時間」とは、考えたり作業をするトータルの時間ではない。考え始めてから実行するまでの期間の長さである。ほかのことを同時進行していてもかまわない。とにかく、早く始めることが大事だと思う。
http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2008/01/post_1644.php

だから今夜は寝る。そして朝起きて忘れたとしたら、そこまで煮詰まっていないアイデアだったのでしょう。というか風呂屋で考えたことは、実は一ヶ月ほど前に思い付いていたものがほとんどで、それをすっかり忘れていたのです。思い出したと言うことは、それだけ価値があったのかも。

(ちなみに上記の1/17の日記は他にも色々面白いことが書いてありました)

別の日には、こんなことも書いてありました。

幾度か書いていることで、「キリの悪いやめ方を心がける」というのがある。工作をしているときに、穴を5つ開ける作業があったとしたら、3つだけにして、2つは明日のために残しておくのだ。キリの悪いやめ方をすると、次の日にすぐに仕事が始められ、仕事を始めることで、自然に躰も頭も暖まる(暖気運転になる)。
 小説であれば、さあここから書きやすい部分だ、という調子の良いところで中断する。すると次回はすぐに書きだせる。こうして、次の分を書かずに残しておくことが、つまり「貯金」になる。一般に、さきの分の仕事までしてしまうことを貯金と呼ぶことが多いが、これは禁物だ。これをすると、あとで仕事をしなくなってブランクが開く。その不連続が、のちのちの仕事の障害となる。
 僕の場合、「今日は5000文字書こう」と決めたら、文章の途中であっても、5000文字を越えたところで打ち切る。キリは悪いほど良い。ついついキリがつくまでと頑張ってしまうが、体力を消耗するのでマイナスだし、今すぐに書きたいものを明日に残すことで、それはもっと良いものになるだろう。書きたいという早まった気持ちが、完成度を落とすことがあるからだ。
http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2008/01/post_1609.php

というわけで、個人的には「思い付いているのに手を動かさない」というのはすごく気持ち悪いんだけど、あえてやらずに明日に取っておいてみる。明日、仕事の始まりがスムーズだといいなあ。