ダークナイト

たまには仕事以外のことを考えなくては、ということで久しぶりに映画館へ。
バットマン最新作「ダークナイト」を見てきました。
【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|ダークナイト



・・・すごく面白かった。

詳しくはネタバレになるから語れないけれど、アメリカが抱える現実の問題をバットマンに投影しているような内容でした。正義と信じてアフガニスタンイラクに派兵したのに、その結果多くの混乱と軋轢を生み出してしまった現実を、どう捉えるべきなのか、どう向き合えばいいのか。そんなアメリカの戸惑いと苦悩を、バットマンに投影しているようなストーリーでした。



面白さはストーリーだけじゃない。悪役のジョーカーは久しぶりにシビれる「狂悪」キャラでした。

個人的に大昔に見た「レオン」に登場する、ヤクをばっちし決めて四肢を奮わせる悪徳刑事が、あまりにも悪役として格好良くて未だに忘れられないのですが、それに匹敵する悪役でした。

その狂いっぷり。常軌を逸した空気。ネットリとした空気。嫌らしさ。ジョーカーがしゃべる際に時折聞こえる「クチャッ」という口腔の音がまた憎い。普通なら単なる不快な雑音なのに、ジョーカーから聞こえるとそれさえも彼の狂気と嫌らしさを引き立たせていて、もうたまりません。

そういえば「レオン」で悪徳刑事役を演じたゲーリー・オールドマンは、このダークナイトでは正義の刑事役をやっています。老けたなぁ。どうせなら二面性を有するアノ役(ネタバレなので書きませんが)は、彼がやったほうが良かったような…。彼なら演技で「悪!」を演じられるのに。




バットマンというと「いかにもアメコミ調のアメリカ的正義の映画です」という偏見を抱いていたのですが、そんな偏見は捨て去って見ておいた方が良い映画でした。エンターテインメントとして、風刺として、第一級の映画だと思います。