スカイクロラ、見てきた

森博嗣原作、押井守監督の映画「スカイクロラ」を見てきました。
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心がざわつきました。あの独特の間、独特の空気感が好きです。あの美しくカッコいい空と、無機的で薄ら寒くて絶望的な地上が、好きです。

たぶん多くの人にとっては退屈で理解できない映画でしょう。私も言葉で説明できることは少ないし、そういう映画ではないのでしょう。パンフレットに載っている森博嗣のインタビューが的確です。

Q.原作者として伝えたいメッセージは、この映画からも醸し出されているとお考えでしょうか。

A.伝えたいメッセージというものは僕にはありません。メッセージにならないから、僕は小説を書いたのです。押井守も、言葉に還元できるメッセージにはならないからこそ、映画を作られているのだと思います。それは、この映画を見た人には、きっと伝わるでしょう。

そう、見た後のこのザワザワするような感情は、言葉には出来ないのです。





なので、言葉に出来る範囲の陳腐な感想を2点だけ。

戦闘シーンがカッコ良いよ!飛行機、煙、被弾、雲、地上の緑、岩、海面、波がとても美しかった。あれを見ているだけでご飯三杯はイケる。現代のCG技術は凄い進化をしていますねえ。実写に見紛う出来です。


そしてもう一つの陳腐な感想。クサナギ・スイトが実に美しい。押井守はこの映画で恋愛を描きたかったとパンフに書いてありますが、描かれているのは恋愛というよりも、感情が揺れ動くクサナギの美しさでした。あー、すげー。もー、美しい。あー、もー、あー、もー(布団の上でゴロゴロしながら)。

クサナギのエロティックなシーンが何回かあったのですが、それよりもタイトスカートでボーリングをするシーンの方がドキドキしました。変態でしょうか。いやでもねえ、クサナギがムッツリとしながらあの機械で送られてくるボーリングの球を待ち(その待ちシーンだけでお腹いっぱい)、そしてやって来たボールを取り上げ、無表情に投げるだけで「あーもーしんぼーたまらーーん!」と映画館で悶々しました。やはり変態かな…。いいのです。あれは、いい(布団の上でゴロゴロしながら)。自分の中にタイトスカート属性があるとは知らなかった。あーもーあーもーあーもー(布団の上で枕を抱きしめてゴロゴロゴロゴロゴロゴロしながら)。




変態、やめ。


ちなみにデートムービーとして、あるいは友人と連れだって見に行く映画としてはお勧めできません。私の後ろと隣はカップルでしたが、実に退屈そうでした。隣の男はアクビを連発し、後ろのカップルはヒソヒソ話をしてました(気持ちは分かるけどマナー違反なのでやめて欲しい…)。終わってからカップルが「ストーリーが分からないんだよなぁ」と話していたのが印象的でした。まあそうだよなぁ。私自身、言葉に出来ないものだらけだし。

なので人にはあまりお勧め出来ません。でも私は好きです。機会があればもう一回見ます(せっかくの良い映画を貶めるような感想を書いてしまった気がするが)。