漫画話

学会の帰り、久しぶりに秋葉原に立ち寄る。秋葉原無差別殺傷事件の時に献花に来て以来なので、3ヶ月ぶり。もうすっかり普通の秋葉原になっていたので、ちょっと安心。

漫画話を。

暴れん坊少納言1 (ガムコミックスプラス)

暴れん坊少納言1 (ガムコミックスプラス)

清少納言が実はツンデレだった…という設定で、清少納言のドタバタを描いた漫画。

時代考証はやってはいるようですが、適度に無視をしています。例えば史実では清少納言紫式部が宮中で出会うことは無かったはずですが、劇中ではライバルとして双六勝負をやってたりします。…これくらいはマシな方で、和泉式部はいつも黒いブラを見せてお色気むんむんだったり、中宮彰子はフリフリとリボンの洋服を着てたり、中宮定子はかき氷を顔にぶちまけられたり、一条天皇の目前で飼い犬をけっ飛ばして居室を無茶苦茶にしたり、割とフリーダムなギャグマンガである。

それでもそんな無茶苦茶が嫌いになれないのは、恋や、主従の信頼関係や、和歌や年中行事や風俗などを、いい感じに混ぜているからなんでしょう。枕草子161段に「近うて遠きもの」として「鞍馬の九十九折りの道」という記述があるのですが、その記述だけで「清少納言とその許嫁の仲が進展しないので、中宮定子と和泉式部が“面白い企画”を画策する。鞍馬山から僧侶を招くため清少納言はその迎えに行くことになり、許嫁は定子の命令でその護衛に付くことになる。“まあ若い男女が2人で旅行すれば、いくらか親展するでしょ。くっくっく”と笑う定子と和泉式部だが…。清少納言と許嫁は九十九折りの道で事故って野宿することに。さてさて、2人の仲は?」的なストーリーを作り出してしまう作者がどーしょーもなく良い。はては清少納言ツンツンデレデレぶりが余りにも教科書通り。最後に眠ってる許嫁の手のひらの上に、恋心を歌う和歌を指でなぞる・・・。(以上は、2巻の5段「飛び出すな 牛車は急には停まれない」)


他にも清少納言紫式部による正月双六勝負(6段「盤上で 白黒付ける六つ目かな」)も、双六のルールが解説されていて、かつ漫画として非常に面白いものに仕上がっています。作者、ノリノリである