夏への扉

ロバート・A・ハインラインによるSFの名作「夏への扉」。あんまりにも面白くて、コメダ珈琲店に6時間近く居座って最初から最後までぶっ通しで読んでいました。店の外で雨が降っていることに全く気がつかないくらい夢中でした。

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

時空間ものやSFも良いのですが、それ以上に猫に対する著者の愛情こもった表現が素晴らしい。だまと一緒に過ごすようになって半年ですが、その半年が物語をより面白く感じさせたことは間違いない。

特に冒頭やラスト、猫のピートが12ある扉のうちの一つが夏に通じると信じている、という下りが素晴らしい。

ただし、ピートは、どの猫でもそうなように、どうしても戸外へ出たがって仕方がない。彼はいつまでたっても、ドアというドアを試せば、必ずそのひとつは夏に通じるという確信を、棄てようとはしないのだ。
そしてもちろん、ぼくはピートの肩を持つ。

うちのだまも、うちに来た当初は4つある扉すべてを出たり入ったりして「・・・夏につながってるんじゃね?」と出入りしてました。著者は猫を良く見ているよなあ。さすが冒頭に「世のなべての猫好きにこの本を捧げる」と書くだけはある。



そういえばwikipediaの「夏への扉」を読んで、初めて「猫SF」という言葉を知りました。はてなキーワードに猫SFの代表作が載っていて、「夏への扉」はその筆頭に挙げられています。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%ADSF
そういえば秋山瑞人の「猫の地球儀」も面白かったな…。最近かれの噂を聞かなくなったけど、どうしているんだろう…。「ミナミノミナミノ」の2巻を楽しみにしているのですが…。


というわけで、物語終盤で猫のピートと再会するシーンは、帰宅してだまのホッペをカイカイしながら読みました。至福。