授業の早退理由

大学での授業中のこと。

女学生さんがひとり、「早退していいですか?」と言い出しました。私はすこぉし、気が咎める。いちおう先生という立場としては、学生にはしっかり勉学に励んでもらわないといけません。その女学生さんはその日に学ぶべき内容の8割くらいまでをこなしていたのですが、だからといってここで甘い顔をすると後々面倒なことになります。


私「…うーん、理由を聞いていいですか?」
学生「理由、ですか?」


私「うん。例えば遊びとかで早く帰りたいと言われると、こちらも承諾しにくいんですよ」
学生「いや、遊び…ではないんですが…」


私「言いにくいことなら言わなくてもいいけれど、出来れば公に出来る正当な早退理由があった方が、こちらとしては気分がいいんですよね」
学生「・・・」


私「んで、理由は?」
学生「そのぉ…妹が…」


私「妹?」
学生「はい、今日は妹が自宅に1人ぼっちなので、早く帰ってあげたいんですけど…」


私「…妹さんはおいくつ?」
学生「中学2年生です…」


私「・・・」
学生「・・・」


私「よし、今すぐ帰りなさい」
学生「…いいんですか…?」


私「せんせえはそういうりゆうだいすきです」
学生「…(苦笑)…」



不覚にも、もe・・・いや、何でもありません。

仲良きことは美しき哉。姉妹は仲良くあるべきです。あねといもうと、いいですね。微笑ましいですね。うん。うん。もe・・・いや、何でもありません。