森薫の新作

Fellows! 2008-OCTOBER volume 1 (BEAM COMIX)

Fellows! 2008-OCTOBER volume 1 (BEAM COMIX)

エマの森薫の次回作がこの月刊誌に載ると聞いたので、買ってきました。舞台はシルクロードだそうです。

・・・偏執狂的に精緻な書き込み。しかも第1話は主人公の娘が馬を駆り、矢を射ってウサギを狩るシーンがあるため、話全体の静と動のメリハリが付いていて、読んでて楽しいです。かと思いきや、しっかり萌えとささやかな色気を混ぜてくるあたり、さすがは森薫先生です。はい。さすがは変態漫画家です(絶賛しているつもり)。


気になった点を2つだけ。

19世紀の中央アジアがどんな文化だったのか知りませんが、単なる部族の花嫁があんなに美しい織物と刺繍と装飾品を身につけられるんですかね?読んでるとお姫様とか王族の物語に思えて来ます。いや、美しいので問題ないんですけど。あの時代のあの地方は、豊かだったのか、それとも単なるフィクションなのかな。でも森薫のことだから絶対に資料を集めまくって穴が空くほど読んで、目をグルグルさせながら史実に近いものを描きそうなので、フィクションって感じしないんだけどなあ。


もひとつ。この「Fellows!!」は創刊号のはずなんだけど、森薫の魅力が突出しすぎていてバランスが悪すぎるような。だって森薫作品以外を全部読んだけど、少しでも「面白い」「面白くなりそう」と思えた作品がひとつもないって、どういうことよ。

再来月、はたして私は森薫作品のためだけにこのつまらない雑誌を買うだろうか?価格は680円。森薫の40ページだけのために680円。

・・・買ってしまいそうだな・・・。