小説とか漫画とか
ブログの更新頻度が落ちたのはCivilization4のせいです。やれやれ。
- 作者: 笹本祐一,松本規之
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/10/21
- メディア: 新書
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ミニスカパイレーツですよ。訳が分からない。だがいったん口ずさんでしまうと、強烈なインパクトが残るタイトル。後書きでも作者が謝ってます。
えーまずは謝っておかなくてはなるまい。
何をってタイトルですよタイトル。すんげーでしょ今回。新作を、それもシリーズを始めるにあたってミニスカパイレーツとは何事だ笹本!
うん、すんげータイトルです。
だけどその内容たるや、さすがは笹本祐一の小説。緻密な宇宙工学や法律や歴史や軍事に支えられた、リアルな描写の数々。あんまりにも凄い描写に驚きながらも、全ページの見開き左上に刻印された作品名「ミニスカパイレーツ」が目に入るたびに「あぁ、そう。こんな凄い文章なのに、ミニスカパイレーツなんだよな・・・」と我に返ってました。
凄い真っ当な描写をしているんですよ。
特に帆装宇宙船(帆船型の宇宙船。太陽風や宇宙気流を帆に受けて飛ぶ宇宙船)を修理するシーン。マストが絡んでしまったので、主人公の茉莉香が初めて宇宙遊泳しながら修理するのですが、そこで宇宙服を着て、エアロックから宇宙空間に出るシーンがもう素晴らしい。宇宙服の構造や特徴、宇宙服の使い方に関するレクチャ、ブリッジと船外作業員との通信と規則、宇宙空間での行動。マニアックな描写が、ごろりと粗雑に並べられているのがいい。
そして作業を終えた茉莉香が宇宙空間を見つめてつぶやく「これが、宇宙…」という台詞。ありきたりな台詞だけど、それまでの細かい描写があればこそリアリティが出てきて、読んでてぞくぞくしました。宇宙空間を緻密に描いたものって、良い!
だがそんなに素晴らしい内容なのに・・・タイトルは「ミニスカパイレーツ」なんだよね・・・。イロモノなのはタイトルと表紙だけなんだ!中身はホンモノなんだ!
鴨川ホルモー (1) (角川コミックス・エース (KCA216-1))
- 作者: 万城目学,渡会けいじ
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/09/26
- メディア: コミック
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つまらない漫画は読んですぐに「これはつまらない!」と理解できます。描かれてるテーマや絵が私の趣味に合わなかったり、陳腐な描写だったり、構成力が足りなくて内容が伝わらなかったりするってのはすぐに分かりますよね。逆に面白い漫画も読んですぐに「これは面白い!」と理解できるもんです。
ところが稀に読んでも、面白いのかつまらないのか判断できない作品に出会うことがあります。絵は好み。構成力も筆力もあるから、劇中で何が起きてるのかは良く理解できる。キャラの心情も伝わってくる。キャラ設定も魅力的。
なのに「これはいったい何だろう・・・?」と思わせる不思議さがある。
たぶん2巻が出たら「あーこういう内容なのね」と分かっちゃって、面白い・つまらないが分かっちゃう気がしますけどね。だからせめて2巻が出るまで、この微妙な味わいを大切にします。
うーん、この漫画、面白いんだろうか?つまらないんだろうか・・・?(と言いながらまた読み返す。楽しいです)
- 作者: 結城浩,日坂水柯
- 出版社/メーカー: KADOKAWA(メディアファクトリー)
- 発売日: 2008/11/22
- メディア: コミック
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高校生男子が、女子に対して向ける好意のまなざし。それを数学が持つ透明さ、純粋さを使って描写した物語、なのでしょうね。なるほど数式や定義を使うと、ヒロインに独特の透明感が出てきます。こんなに数式というものに純粋で真剣な眼差しを向ける女性は、私は見たことがありませんけどね。わはは。だからこそファンタジーなのでしょう。いや、面白い。
まあ、読者を選びそうなテーマではあります。漫画で「素因数分解の一意性」なんて言葉が読めるとはおもわなんだ(笑)。
でも「難しいから読まない」ってのはもったいない。分からなければ原作者の結城浩さんも言っているように「数式の意味が分からないときは、数式は眺めるだけにしてまずは物語を追ってください」というスタイルで良いと思う。
数式の意味が分からなくても、数式が醸し出す透明感は漫画でしっかり描かれてます。それに感じ入ったのであれば、そろりそろりと数式を読んで見ればいい。それで理解できればもっと楽しめる。そんなスタイルなのでしょう。
数式が醸し出すこの雰囲気、私は好きです。
あと、ヒロインの1人である後輩のテトラ。数学に対する少しの好奇心。自分で考える真面目さ。説明に対して疑問を呈する素直さ。
わたしはせんせいとして、こういうがくせいさんをあいてにじゅぎょうがしたいです。
わはは。だからこそファンタジーなのでしょう。いや、面白い。