ゴミと宝

実家に戻ると、必ず母親と戦わなければいけなくなる。
「これ、捨てていい?」という言葉と共に目の前に積まれるPC98時代のゲームのパッケージ。
「捨てちゃだめ。」と拒絶する私。

思い出のつまったゲーム類、捨てられるわけがない。


例えば「サイオブレード」(T&E 1988)のパッケージ。「全編アニメーション!これがAVGの夢だった…」などの文句が並んでいるが、ふたを開けてみれば目パチ口パクもアニメだとのたまっているだけ。だけど面白かったので当時は誰も文句をつけずに絶賛していた。もちろんメロディモジュールも残っていてボタンを押すと曲が流れ出す。これを捨てろだなんて!!


例えば「アンジェラス」(ENIX 1988)のパッケージ。当時のENIXはアドベンチャーの最先端を走っていて素晴らしいゲームを排出していました。「ジーザス」「バーニングポイント」「ミスティックブルー」などと共に印象に残っているゲームなのですよ。プレー直後から一日千秋の思いで「アンジェラス2」が発売される日を待っていたと言うのに、最終的にその日は来なかったようです。いや!まだ望みは残っているかも!(ねえよ)


例えば「マリンフィルト」(フェアリーテール)のパッケージ。アドベンチャーゲームという分野が衰退しつつあるなか、最後までAVGの可能性を追求していたフェアリーテール。ホラーやクトゥルフをテーマにした「デッドオブザブレイン」「ネクロノミコン」「マリアに捧げるバラード」と共に、大好きなゲームなのですよ。勝手な予想だけれど、私と同じくジーザスが大好きでこの路線を継承したかったんじゃないかなぁ。結局世間の評価はあまり得られず、アドベンチャーの旗手は18歳未満禁止のエロゲーメーカーに移り行くわけですけど。


例えば「Alone in the Dark」のパッケージ。3次元ポリゴンを使って魅せようとした意欲作。発売前にログインで紹介記事を読んでいて「画面の中を人間が動き回るんだって!」「すげー!すげー!」と大騒ぎしていた記憶があります。3Dはそれだけ衝撃でした。これがバイオハザードへと繋がっていくわけで、歴史の流れを感じずにはいられません。


他にも「ふしぎの海のナディア」「ブライ上下巻」「サザンアイズ」「ブルーシカゴブルース」などが転がってます。何故か「英雄伝説」のログイン付録冊子と「英雄伝説2」のマニュアルも転がってます。他にもログインの付録冊子だけが積みあがって広辞苑と同じ厚さになっています。



捨てられないですよ。

かくして思い出の詰まった品々を守るための戦いが続きます。「あんたが死んだら全部ごみよ」という台詞もありますが、「俺が死ななきゃ宝だ」と言い返すこともできます。理屈じゃないんよ。