2年前の自分と2年後の自分

……………………………しょんぼり。

思いっきり、凹む。


だけど、そのせいで、凄く大切なことを思い出した。

今日は、そのことを、書こうと思う。




ここ一ヶ月ほど、テキストプログラミング言語「言霊」の開発作業をしていました。春からの授業で教材として、「ことだまonSqueak」と一緒に「言霊」を活用するためです。

ところがこの「言霊」という言語は、実に2年間も放ったらかしでした。久しぶりにCVSサーバの「Kotodama」をチェックアウトしても、どれが最新のモジュールかすぐに分からず。コードを見つけてもどんな設計だったか思い出せず。UMLモデルを読んでもすぐには理解できず。どんな仕様だったかも思い出せず。

だけど、何気なく頭に浮かんだ日本語のプログラムをファイルに書き、コンパイルをしてみると、これが面白いようにコンパイルされる。実行できる。様々な日本語プログラムを実行できることが凄く楽しく、ワクワクする。まあ自分で作った言語ですから当たり前といえば当たり前ですが。



それにしても疑問なのは、この実用の一歩手前まで来ている言霊コンパイラを、なぜ2年間も放っておいたのか。こんなに面白くてワクワクする機能がてんこ盛りなのに。動詞活用や助詞・助数詞対応や文脈の使用などなどの夢と希望が詰まっているのに、何で私は2年前に放り出してしまったのだろう…。

(もっとも、放り出した直後に先輩から「Squeakってのが面白いよ」と言われ、2005年の夏休みに作ったのが「ことだま on Squeak」の初期バージョン。この2年間は「ことだま on Squeak」に捧げていました)

だからこの一ヶ月、2年前の自分に対して賞賛と叱責の言葉を投げかけながら開発していました。「こんなものを作ったお前は凄いよ!だけどこんなものを放り出したお前は馬鹿だ、馬鹿だ、大馬鹿野郎だ!2年後のこの俺がしっかり形にしちゃるわっ!」





今日、心底落ち込んでみて、2年前の自分を思い出した。2年前に、私は、言霊を放り出したのだ。無茶苦茶にけなされて、全く評価してもらえなくて、心底落ち込んで、だけど自分の中では言霊は素晴らしい言語で、それでどうしたらいいのか、分からなくなってしまったのだ。今日みたいに。



そして今日、心底落ち込んでいる。だけどここ一ヶ月、私は2年前の自分に対して賞賛と叱責の言葉をゲップが出るほど投げつけた。そして今の私には、2年後の自分から同じ賞賛と叱責の言葉が飛んできている。「こんなものを作ったお前は凄い、だけどこんなものを放り出そうとしているお前は馬鹿だ、馬鹿だ、大馬鹿だ!2年後の俺はもう何もやらねーよ!今やらなきゃ、もう誰もやらねーよ!」



…2年前に、私は逃げ出したようなものだ。だけど、結局逃げ出しても「ことだま on Squeak」という同じようなテーマに手を出している。そして今、結局元の場所に戻ってきている。しかも「言霊」の文法は、やはり面白い。魅力的である。もう、逃げたってしょうがないじゃないか。

敵の存在を認めろ。分かってくれない人は、いるのだ。だから落ち込むんじゃない。エネルギーを自分に向けて落ち込むんじゃなくて、エネルギーを外に向けろ。そして、叫ぶんだ。


「馬鹿やろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
「何で分かってくれないんだよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」





というわけでさっきまで食欲がまるで無かったのに、怒りを外にぶつけてみたら、見る見るうちにお腹が減る。モスバーガーで大好きなプレーンドッグを注文。ソーセージにがぶりつく。うーん、う、う、美味い!!!

さあさあさあ、落ち込んでる暇なんてあるかいっ!2年後の俺から罵倒されないように、突っ走るんだいっ!



(っていうか元気になってみると、今日の出来事は何でもないことに気付く。いやーん、人間ってすぐに落ち込んじゃう生き物だねっ)