エマ

漫画はゆっくり長く楽しみたい、と思っています。

だから漫画喫茶はなるべく行きたくないし、行ってもなるべく好きな漫画は読みません。漫画喫茶だと全巻揃っているから一晩で読み終えてしまって、感動もクソも無い。好きな漫画は少なくとも一ヶ月くらいのスパンで楽しみたい。

だから表紙買いで面白い漫画を見つけても、大人買いはしません。もったいないからなるべくゆっくりのんびりと買い進めます。早くても一週間に一冊。出来れば一ヶ月に一冊のペースで。

最近の“ゆっくり買い進めたい漫画”は、「エマ」と「RAINBOW」です。どちらも面白いと分かり切っているけど、焦らずにゆっくりと買い進めていました。




ですが。

今日、エマの第4巻を買ってしまいました。「エマ」は中世イギリスの貴族とメイドの恋物語です。一度は離れてしまったジョーンズとエマ。しかし奇妙で細い細い糸をたどるようにゆっくりと近づく2人の縁。そしてジョーンズの婚約パーティという最悪のシチュエーションで、エマは偶然の再会を果たす。そして夜。誰にも見られないよう、暗い一室のドアの前で向き合う2人。いつだって落ち着き払っていたエマが、相貌を崩して泣きじゃくる。ドアの前で強く抱き合う、ジョーンズとエマ。


・・・あ。あかん。これでは「ハチミツとクローバー」の3巻と同じだ。ハチクロも3巻までは“ゆっくりと買い進めたい漫画”の一つだったのです。半年くらいかけて全巻集めるつもりだったのです。だけどハチクロ3巻を読んだら、もう坂道を転げ落ちるように自分の主義主張をかなぐり捨てて「山田さんっ!」と大人買いをしてしまった、あの時と同じ衝動が駆けめぐっています。

まあ落ち着け。落ち着きましょう。考えてみれば「知的で寡黙で控えめな女性」として描かれるエマは、男性から見た女性の理想像ですよ。ましてや別離しても一途にジョーンズを想い続けてくれるエマがなんとも、ちゃんちゃらおかしいや。あっはっはっはっ(苦笑)。


・・・(多少でも自分を客観視しないと)。

・・・(少しでも貶して漫画の魅力を矮小化しないと)。

・・・(自分のポリシーをかなぐり捨てて)。

・・・(一気に)。

・・・(大人買いを)。

・・・(して)。

・・・(しまう)。

・・・(馬鹿に)。

・・・(なって)。

・・・(しま)。

・・・(・・・)。

・・・(・・・)。

よ、夜中でも空いてる本屋は無いのか!エマの5巻を売ってくれ!エマはどうなるんだ、うおおおおおお!


というわけで残り全巻を買いたい衝動を何とか抑えて、5巻だけ買いました。せめて1日1冊程度のペースでゆっくりと味わうことにします。どうどう。