茄子 〜スーツケースの渡り鳥〜

以前本棚の中の漫画を整理したとき、KJ法を使って整理をしたことがあります。感覚的に近いものを同じ棚に置き、遠いものは別の棚に配置換えをして、最終的に「恋愛」「冒険」「癒し」「ギャグ」などのグループに分かれました。

KJ法の経験がある人なら分かると思いますが、いくら配置換えを繰り返してもどこのグループにも属さない一匹狼になってしまうカードが出てくることがあります。KJ法において、そういうカードはなるべくして一匹狼になっているので、無理にグルーピングをしてはならない、そのうち重要な意味を持つことになる、とされています。

茄子 (1) (アフタヌーンKC (272))

茄子 (1) (アフタヌーンKC (272))

私の漫画本棚のなかでいつまでも一匹狼でありつづけているのが「茄子」という漫画です。捉えどころが無くて、だけど自分の中で上手く消化できないために捨てることが出来ない、カテゴライズも出来ない、何とも困った魅力的な漫画です。いや、魅力的なのかどうかもよく分かんないや。


それと比べると、アニメ化されたこの作品はぐっと分かりやすい。熱き自転車レースを描いた作品です。

茄子 スーツケースの渡り鳥 [DVD]

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自転車レースというものがある、ということすら知らなかったのですが観るぶんにはあまり関係がありません。ゴールの瞬間に向けて物語全体が収束していく流れは、手に汗を握るものがあります。

主人公のぺぺとチョッチが追いつき、先頭集団を見据えて「ロック・オンだ!」と叫ぶ。危機感を覚えて乱れる先頭集団。

ゴール直前で並ぶ。

デッドヒート。

流れる汗。垂れるヨダレ。落ちる鼻水。


レース終盤の見せ方が上手いですねえ。序盤から夕飯を食べながら観てたのですが、レース終盤の追い上げで、みそ汁のお椀を両手で握りしめながら「…っ!……っ!……………っ!!」と魅入ってました。


この秋はテレビで放映されているものも含めてけっこうな数のアニメを観ているはずなんですが、観れば観るほどに観るべき作品が出てきます。ほんと、日本という国はアニメ大国ですね。しあわせ。